現在、ソロで活動中の三上ちさこ。彼女がデビューしたのはフラホアというバンドのヴォーカルとしてでした。の1stアルバムが衝撃的で、以来フォローしています(でも1stソロは未聴なんですが...)。
次回は、彼女の最新作についてレビューしますが、今回は比較的思い入れの強かったフラホアについて。

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私は元々女性ヴォーカル好きで、ビョークもアラニス・モリセットも宇多田ヒカルも美空ひばりも(恥ずかしながらアヴリル・ラヴィーンも...)結構好きだったりするんですが、三上ちさこだけは非常に独特で、自分の中では別扱い。そう、この人は「ロック・シンガー」だと思うんです。決してポップ・ディーヴァではない。なぜそう思うか。それはフラホアを聴けば、わかります。
宙の淵
トイズファクトリー
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ほぼ全曲の作詞・作曲は三上。今から思えば、彼女のワンマンバンド的性格が強かったのでしょうか。2ndシングル「青白い月」は、プレスへ「fra-foa最重要曲」として発表されたそうで、何とあのスティーヴ・アルビニ(Nirvanaの3rd「In Utero」のプロデューサーとしても知られています)がレコーディング/ミキシング!しかもオファーしたら
本人から「やりたい」と返事が来た
というシロモノ。(蛇足ですが、バンドとしての2作目で、契約のきっかけとなった曲でもあるのです)
1stアルバム「宙の淵」には同曲含め3曲のアルビニ・ミックスのトラックがありますが、全てテーマが三上の幼少期に起きた出来事「兄の死」。それを昇華させたともいえるような曲です。バンド曰く「完成させないと次へ進めない」(BUZZ 2001.3月号インタビューより)ものだったそうです。BUZZの同インタビューで中本浩二氏が指摘しているように、3rdシングル「澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。」(タイトル長っ!)での詞の変化等踏まえると、彼女が心の底に常に抱えていた「死」をポジティブな観念に変換し、「生きることの意味」を見出すプロセスを記録した作品となっているように思えます。
ラスト9曲目のタイトル・トラック「宙の淵」では、それまで拭えなかった痛々しさが少し和らぎ、「死は誰にでも来るものだから、それまでを精一杯生きるんだ」 というメッセージが感じられます。これが全体をコンセプト・アルバム的にして締めくくっています。
しかし、とにかくこのアルバムでの三上の歌声はかなり痛々しいんだけど、とにかく圧倒的なエナジー!これには本当にヤラれました。ジャケでは痩身の彼女が、所々全盛期の「明菜」を思い出させるほどパワフル!歌詞内容とリンクしたそのエナジーの放出に、張上げる声の痛々しさに、涙がにじむ...。
そして「宙の淵」から1年3ヶ月、'02年に2nd「13 Leaves」を発表、結局最後のアルバムとなります。12曲中7曲のプロデュースは根岸孝旨(スガシカオらとプロジェクトバンドをやってますね)。当時はミクスチャー・サウンドがクラブ・カルチャーとクロスオーヴァーし流行っていた時期(?)だけにそれを意識したようなハイブリッド・サウンドです。リーダー・トラックの7曲目「消えない夜に」をはじめストレートなラブソングが増え、バンドとしては新境地ともいえる内容でしたが...あまり成功しなかった?
スタジオ・ベーシストとしても活躍するプロデューサーの影響か、Ba.平塚学は頑張っていますが、全体的に印象が薄くなったり三上の歌だけ突き抜けて鋭すぎ、聴いてて疲れたり。バンド・プロデュースの曲では1stで聴けた轟音サウンドもちらほら顔を出しますが、全体に「厚み」よりエッジを効かせシャープさを表現しており、J-ポップフィールドを狙ったプロデュースのように思えます。個人的には結局1st3ヵ月後のシングル「小さなひかり。」が最も伸び伸びして嫌味が少なかったかな。
ツアー後、三上は妊娠・出産。その後年イチでライブもやりましたがパッとせず(失礼)、メンバーは各自の活動を本格化させ解散。復帰時のライブ映像は一部「翔べない鳥」として配信されていますが、ソロ最新DVDを観たところ、「咲かない花」として1stソロに収録されているようです(未確認ですので、もし違うようならご指摘ください)。
聞き比べると、三上の持つポテンシャルにバンドがついていけなかった...と思えてしまい残念。ドラマーは凄い音出してましたけどね~。このドラマーは現在「裏返せ、俺を」というバンドで活動しているようです(「水中、それは苦しい」みたいですね;失礼)。他の元メンバーも各自活動中で、昨年末にグループ全員集合してイベントしたようです(Re-COCOBATみたい;またまた失礼)。ほぼ全てサンプル音源をサイトにUPしてるので、紹介しておきます。
- 佐々木康治(Dr.) 「裏返せ、俺を」; (熱い日本語ロック!)
- 平塚学(Ba.) 「WREEP」; (轟音にメロウなVo.'90年代末UK...っぽい?)
- 高橋誠二(Gu.) 「N.E.S」;(J-エモ(?)水準高し!)
ということで、フラホアを聴くなら1st「宙の淵」!といっておきましょう。
因みに点数は、
宙の淵:★★★★☆ [4/5]
13 Leaves:★★☆☆☆ [2/5]
てなとこですか。

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おまけあり。
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